2013年2月28日木曜日

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~
三上延著
アスキーメディアワークス
 

付き合い始めたばかりのあつあつカップルを想像して欲しい。
目をハートマーク♡にしてお互いを見つめ合っている二人に、外野がいくら「浮気するから別れたほうがいい」などと、とやかく言っても耳に入らないだろう。

今の私もそうだ。
このビブリアシリーズの3巻を読んですっかり惚れ込んでしまったものだから、冷静な目で読むことなどできない。
だから私の意見など全く参考にはならないだろう。

本書は、古書を題材にしたミステリーの第4弾である。
北鎌倉にあるビブリア古書堂でアルバイトをしている 主人公の 五浦大輔 23歳。
店主の 栞子さん は、極度の人見知り&内気だが、本に関する知識は膨大で本にまつわる謎ならたちまち解いてしまう。そして何より美人。しかもなぜか巨乳。
その2人が中心となって物語は進んでいく。

今回は今までのような連作短編ではなく、大量の江戸川乱歩コレクションを持つ女から相談を受ける話を中心とした長編となっている。

「乱歩はデビュー前に古書店を経営していた」などのトリビアや著作もたくさん出てくるので、乱歩ファンも十分楽しめるだろう。
また、栞子さんの母親の知られざる一面が明らかになったり、大輔と栞子さんの関係に変化が出てきたりと物語的にも大きく前進している。

この4巻でも「豊かな胸を」とか「もじもじと両手の指先を合わせる可愛い仕草」などといった男目線の萌え萌え表現が出てきたが、私のこの熱い気持ちは萎えることはなかった。

ただやっぱりこの巻を読んでも、栞子さんには好感が持てなかった。
同性だから厳しい目で見てしまうのか、女の怖さを知っているからなのか、「こんな、男が理想とするような女は実際にはいないでしょ」と思いながら読んでいる。

欠点をたくさん上げることもできるのに、なぜここまでこのシリーズにはまっているのか自分でも不思議に思う。
本に関するミステリーというところが一番魅力に感じているが、突っ込みどころ満載でもありブツブツ言いながら読むのが楽しいのかもしれない。

あとがきで「この物語もそろそろ後半です」との記述があった。
古書に関して下調べをすればいくらでもこのベストセラー小説を引き伸ばすことができるのに、と思うのは素人考えだろうか。
このまま水戸黄門のようになにも進展しないまま、永遠に続けてくれたらいいのにと思う。

※TVドラマも毎週録画して観ている。
栞子さんがあまりにイメージが違うので原作とは別物として楽しんでいるのだが、この本を読んでいたら主人公・大輔役のEXILEのAKIRAが頭に浮かんでしまった。
本は自分で好きなように想像して読みたいのに。

※参考
古書という題材を新鮮に感じ、すぐに夢中になった第1弾 :栞子さんと奇妙な客人たち
男目線で描かれている栞子さんに少し鼻白んだ第2弾 : 栞子さんと謎めく日常
萌え表現も少なくなりすっかり虜になった第3弾 :栞子さんと消えない絆

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